アナボリックステロイドの使用で起こりうる副作用の1つで女性化乳房があります。
女性化乳房は、男性の乳房組織の拡大が原因で女性の乳房と同じような状態になることです。女性化乳房になる原因は、体内にある男性ホルモンの不均衡、特に体内に女性ホルモン(エストロゲン)の濃度が高まることで引き起こされます。
今回は、女性化乳房がどのようにして引き起こされるのか?初期症状の判断の仕方から予防法について詳しく説明していきます。
どのように女性化乳房を起こすのか
男性にもある乳房組織には、本来活動していない乳腺にエストロゲンを受け止める場所があります。
しかし、乳腺にある細胞が大量の女性ホルモン(エストロゲン)と結びつくことで、エストロゲンを受け止める場所が目を覚まし、積極的にエストロゲンを受け止めるようになってしまいます。こうなると、乳房は確実に大きくなり、女性のような胸になってしまうのです。
女性化乳房に直接関係のあるこのエストロゲンは、男子ホルモンのテストステロンが、肝臓や脂肪組織で作られるアミラーゼという酵素を結びつくことで作られます。ステロイドの成分は男性ホルモン由来のものなので、一部のステロイドを除いては、エストロゲンが上昇し女性化乳房を起こしうる原因となっています。
実は、女性化乳房の症状は、一部の男性では10代の時に経験しています。
思春期の時は、男性ホルモンのテストステロンが多く分泌されるようになり、その影響でエストロゲンも比例して濃度が高くなるからです。例えば、中学生のころ体操着を着ていると、服がこすれるだけで乳首がチクチクする、痒いといったことがありませんでしたか?これがいわゆる女性化乳房の前兆だったということです。しかし、思春期の頃に現れる症状は、時期がたてば自然と治るので意識していなかったと思います。
アナボリックステロイドには、男性ホルモンのテストステロンが含まれているものがあり、このテストロテンがエストロゲンに転換され、男性の乳房組織に脂肪の蓄積を引き起こし女性化乳房になってしますのです。
ちなみに、ステロイドを使用しなくても女性化乳房になってしまうことがあります。
原因は、肥満です。脂肪組織はアミラーゼを作る働きがあると先程も言いましたが、体脂肪が多くなると、その分エストロテンに転換させる働きがあるアミラーゼを体内に多く保有していることになります。アミラーゼーが多くなるとそれだけエストロゲンを転換させる量も多くなり、結果女性化乳房を引き起こすことになります。
実際には、体脂肪18%以上を超えるほとんどの男性が、女性化乳房の症状が現れていると言われています。
女性化乳房の初期症状
乳腺、乳首の腫脹(シュチョウ・腫れる)
乳首の授乳
乳首の直径が大きくなる
これらの4つの初期症状が現れなくても、ステロイドの不適切な使用で女性化乳房を引き起こすことはあります。
しかし、たとえ女性化乳房は症状が発生してしまってもケア剤を利用して治療を始めることで、ほとんどの女性化乳房は回復させることができます。ただ、そのまま放置しておくとケア剤では完治できなくなり、手術でしか完治できなくなりますので注意してください。
女性化乳房が起こりうるステロイド
基本、テストロテン由来のアナボリックステロイドは女性化乳房のリスクが高くなります。
ここでは、女性化乳房が起こりうるステロイド、起こりにくいステロイドをまとめてみました。
メダナボル
女性化乳房のリスクが少ないステロイド
オキシポロン
アナドリン
ウィンゾロン
プリモボラン
女性化乳房のリスクが少ないのは、ジヒドロテストステロン由来のステロイドです。
ジヒドロテストステロンは、エストロゲンに変換されることはないため、体内で女性ホルモンが蓄積されることはありません。ですので、女性化乳房の心配をするならば、選ぶべきステロイドはジヒドロテストロテン由来のアナボリックステロイドになります。
女性化乳房を予防する方法
テストロテンとアロマターゼが結びつくことを阻害するノルバデックスというケア剤があります。
ノルバデックスがあれば、テストロテンが女性ホルモンのエストロゲンに変換されることは無くなりますので、テストロテン由来のステロイドでも、女性化乳房のリスクなく安全に使用できます。
ノルバデックスの使用方法
女性化乳房の初期症状が発症してから、プロペシアを使用しても改善・回復させることができます。
ただし、エストロゲンの働きには、脂肪の増加・水分を体内に蓄積させるといった作用があり太りやすくなります。これらの作用も予防して、引き締まった体に仕上げたいのであれば、ステロイドサイクルと同時に使用しても良いでしょう。
まとめ
女性化乳房は、ケア剤があれば簡単に予防することができます。
エストロゲンを増加させないためにも、テストロテン由来のアナボリックステロイドを使用するならば、必ずプロペシアを準備しておきましょう。